12/10/2015
StudyPortals(スタディーポータルズ)とCambridge English (ケンブリッジ大学英語検定機構)では、年間8億2,500万米ドル(約990億円)を超えると言われる、拡大するファウンデーション・プログラム市場について概要を示しました。
両機関発行の報告書"New routes to higher education: The global rise of foundation programmes"によると、英国は英語によるファウンデーション・コースでは先導役として、世界のプログラムのうち3分の2を占めており、市場価値は年間8億2,500万米ドル以上と試算されています。
StudyPortalsのCEOであるEdwin van Restは「ファウンデーション・プログラムが、留学生の進学に足りない語学力、学力、アカデミック・スキルの向上にこれまで以上に重要な役割を果たすようになっている。あらゆるバックグランドを持つ学生を留学生として受け入れることで、より多くの人に高等教育に参画してもらおうと働きかけている大学をファウンデーション・プログラムは支えており、結果学業成績も向上している」と述べています。StudyPortalsのファウンデーション・プログラムに関するデータベースを分析したところ、ファウンデーション・プログラムの提供者の大多数は大学ですが、民間の提供機関とのパートナーシップも増加している。5大提供機関が世界のファウンデーション・プログラムの約50%を実施しており、多くの場合、依然として大学はteachingには関与していますが、民間のパートナー機関は主に学生の登録や現地語によるマーケティング活動に携わっていることが分かりました。
英語圏のファウンデーション・プログラムの年間授業料は平均で現在17,000-22,000米ドル(約205-265万円)で、ファウンデーション・プログラムの学生の過半数はビジネスと経済学、工学とテクノロジーという2つの学術分野のうち一方を選んでいるそうです。大学(学部)でも人気のある科目なのでこれについては驚く結果ではないのですが、ファウンデーション・コースが前にもまして高等教育への一つの経路として考えられていることがわかります。
ファウンデーション・プログラムでは、高等教育のディマンドに対処すべく学生が高い英語力を身に付けられるよう指導しています。たいていのファウンデーション・プログラムではCEFRでレベルB1-B2と同等のIELTSスコアで4.5-5.5を最低レベルとして受け入れていますが、大学学部進学となれば最低でももっと高い6.0-7.0のIELTSスコア(CEFRレベルでB2-C1)が必要となります。
ケンブリッジ大学英語検定機構のグローバル認定担当マネージャーのNicola Johnsonは「ファウンデーション・コース提供機関が英語力について真剣に考えていることがわかり興味深い。大学側にとっても、きちんと語学力のレベルを上げて入学準備をしてきた学生を獲得できるのは大きな利益なのでは」と述べています。
なお、報告書は将来の市場の成長性に関する見通しについても報告しています。非英語圏でも英語で授業をするプログラムの大学が増えており、ヨーロッパ大陸では英語で授業をする学部、修士プログラムを提供するプログラムが過去7年間で実に3倍にも増えました。アジアや中東等その他の地域もまた、将来英語で授業を展開する潜在的成長市場として重要な留学先となりつつあると予測します。
世界的に増加しているファウンデーション・プログラムに関する報告書 "The global rise of foundation programmes report"について
英語で授業を行う世界中のファウンデーション・コースの数やタイプに関する包括的概観をまとめたもの。これまで高等教育市場であまり報告されて来なかったファウンデーション・コースに焦点を当てている。StudyPortalsのデータベースは、英語で提供するファウンデーション・プログラムの70%を網羅していると見なされているが、さらにこれを補うべく机上調査を実施して完成させた。さらに経済界の有識者によるインタビューから将来の市場の予測も紹介している。
詳しくは、StudyPortals あるいは ケンブリッジ大学英語検定機構のサイトで確認できます。