25/11/2022
ケンブリッジの英語学習チームでインパクト・オペレーション部門の責任者を務める、Graeme Harrisonが、語学学習において自信とモチベーションがいかに大きな違いを生むかについて考察しています。
「語学は苦手」「試験はストレス」...英語の先生なら誰もが何度も耳にしたことのあるフレーズでしょう。しかし、南米でのインパクト調査でわかったように、必ずしもそうである必要はないのです。
私はケンブリッジのチームの一員として、ヤングラーナーを対象としたケンブリッジ英語検定試験の準備の影響を測定することに取り組みました。ペルーとアルゼンチンの学校で、ケンブリッジ英語検定A2 Key for SchoolsまたはB1 Preliminary for Schoolsの受験準備をしていた11歳から15歳の130人のデータを調べました。ケンブリッジ英語検定ヤングラーナーズを受験したことがある人もいれば、そうでない人もいました。私たちが発見したことは、本当に勇気付けられるものでした。
生徒たちはモチベーションが高く、リラックスしていた
この調査では、南米の生徒はケンブリッジ英語検定の学習意欲が高く、教室の外でも英語を使っていることがわかりました。94%の生徒が、努力すれば英語は上達すると考えており、いわゆるグロースマインドセット(成長思考)を持っていることが明らかになりました。このような学習に対する前向きな姿勢は、世界中の成績優秀な学校で多く見られるものです。
また、興味深いことに、多くの学生が受験を控えてリラックスしていることもわかりました。しかし、なぜそのように感じたのでしょうか?調査から、リラックスの度合いを左右する重要な要素が2つあることがわかりました。
1つ目は、過去にケンブリッジ英語検定を受けたことがある人は、次の試験に対してよりリラックスしていたこと、そして2つ目は、意外かもしれませんが、英語を話すことに自信がある人は、より不安感が少なかったことです。
当研究は先生や保護者の方にどのように役立つのでしょうか?
私たちの試験やヤングラーナーズ向けの学習リソースは、モチベーションを上げ、自信をつけ、学習に対する前向きな姿勢を育むようにデザインされているので、これらの結果は本当にポジティブなものです。成長マインドを引き出すために、以下、保護者と教師ができることをいくつか提案します。私の同僚で、この研究に携わったAmy Devineは次のように説明しています。
「私たちの研究は、達成可能な目標を持ち、フィードバックを与え、学習の進捗を評価し、生徒が自分から進んで学ぶよう促すような教室活動を展開することの重要性を強調しています。私たちは、生徒の自信とモチベーションを高めている素晴らしい学校の例を見ました。ケンブリッジの英語学習教材や評価の根底にある、前向きな "can-do "アプローチをさらに高める手法を用いているのです。」
成長マインドセットを促すための教師用チェックリスト
授業でのアクティビティは、次の通りです:
- 達成可能な目標を含む
- 学習の進捗を評価し、フィードバックを与える
- 生徒が積極的に学ぶようにする
子どもたちをリラックスさせる!
Devineは、自信をつけることが試験への不安を軽減する鍵であると指摘しています。
「南米の教師にとって、試験への不安は大きな問題です。私たちは、この結果をもとに、コミュニケーションを重視し、生徒が間違いを気にしすぎないようにする授業活動を展開するよう、先生方にお勧めします。」
生徒に試験に慣れ親しんでもらうことも、試験への不安を減らすのに有効であることがわかりました。ケンブリッジの試験を受けたことのある生徒は、そうでない生徒に比べて平均して不安感が少なかったのです。その他の対策としては、試験形式に慣れること、ロールプレイ、ゲーム、デジタルメディア、対面式など、さまざまな文脈での英語練習を奨励することなどが挙げられます。また、恥ずかしがり屋の生徒には、一人での練習から始めて、少人数での練習に発展させることで、徐々に授業に参加するように促すことも必要です。
生徒をリラックスさせるための教師用チェックリスト
教師は、次のような方法で不安のレベルを低くすることができます:
- ミスについてあまり心配しないように言う
- テスト形式に慣れる
- 心配事を書き留めるように促す
- 高いレベルの競争を避ける
- 恥ずかしがり屋の生徒には、一人での練習から始めて、少人数での練習に発展させる
生徒の興味を持続させる
生徒の興味とモチベーションを維持するためには、生徒の興味を引くことが重要です。私たちの調査では、生徒が英語学習のために授業外の活動を重要視していることが明らかになりました。最も人気があったのは音楽を聴くことで、87%の生徒がこのアクティビティを利用していると答えました。続いて、80%の生徒が「テレビやビデオを見る」と回答しています。先生方は、この調査結果をもとに、授業に没頭できるようなアクティビティを開発することができます。
「授業以外で生徒がどのような活動をしているかを調べたところ、音楽を聴くという回答が最も多く、次いで英語の映画を見るという結果となりました」とDevineは説明しています。「これは先生方にとって、創造的で効果的な学習活動を開発するために必要なインスピレーションを与えてくれる、とても素晴らしい知見です。例えば、授業で生徒の好きな映画や歌について話し合うなど。また、保護者の方々は、この情報をもとに、授業以外でも好きな英語学習活動に参加するよう、生徒を励ますことができます。」
もっと詳しく見る
私たちの活動がもたらす影響を測定し、その価値を証明することは、私たちにとって非常に重要なことです。この研究についての詳細は、Research Notes 80: Context and Quality Assurance in Language Testing(言語テストのコンテクストと品質保証)をご覧ください。