26/10/2018
フランス国家教育省は、ケンブリッジ大学英語検定機構が開発したテストを活用し、中等教育の最終学年(日本の高校3年生に相当する学年)の生徒に英語力の認定証を提供する準備を始めています。そのための新テストは、フランスにおける高等教育レベルのディプロマである上級技術者免状「BTS」(仏:Brevet de Technicien Supérieur, BTS)の準備をする学生にも提供されます。
この取り組みは、エドゥアール・フィリップ首相が今年の2月に「フランス経済にとっていかに英語力が重要か」を強く主張したのに続き、発表されました。ケンブリッジ大学の非営利部門であるケンブリッジ大学英語検定機構(Cambridge Assessment English)は、テストを開発し、採点する教師のための研修を提供する機関として、公開入札を経て選ばれました。
ケンブリッジ大学英語検定機構の世界的に有名なケンブリッジ英語検定のうち、B2 First(ファースト)のレベルで、かつ同テストのアプローチに沿ったテストが2019年2月から実施されます。2021年までに、フランスの学校で普通科および技術科で勉強する12万人以上の生徒が毎年受検することになると予想されています。
生徒は、リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングの主要な4技能をカバーするテストを受検し、出来栄えの良い受検者はヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR:Common European Framework of Reference)のレベルB2の認定証(サーティフィケート)を受け取ります。大変優れた出来栄えであった受検者にはレベルC1の認定証が授与されます。また、目標レベルを必死に達成しようと頑張りレベルB1の能力を示すことができた受検者には、達成したレベル(B1)の認定証が授与されます。
ケンブリッジ大学英語検定機構の欧州&北アフリカ地域担当のエレナ・ルイセリエ(試験サービス・マネージャー)は次のように述べています。
「テストは、CEFRに完全準拠でアクティブなコミュニケーションスキルに基づくものです。受検者は、国際的な語学学習や試験(アセスメント)のベストプラクティスである私どものテストから、効果的なコミュニケーションスキルの向上など、恩恵を受けることでしょう」
テストは、専用の特別トレーニングを受けたフランスの先生方によって採点・評価されます。フランスの雇用者によって広く受け入れられ、フランスの高等教育システムで有用な役割を果たすよう期待されています。
この新しい制度は、ケンブリッジ大学英語検定機構とフランス国家教育省との長期にわたる協力関係が基盤となっているもので、過去10年間で、フランスの中等学校で「ヨーロッパ・セクション」の37万人以上の学生が、Cambridge English Certificate(CEC:ケンブリッジ英語力認定テスト)を使ってレベルB1であることを示す英語外部試験認定証を取得しました。
ケンブリッジ大学英語検定機構の欧州&北アフリカ地域統括ダイレクターであるエルベ・マルクは「人々が英語を学び、培ったスキルを世界に証明するために私たちは存在しています。ですから、フランスで英語力向上のためのこのような先進的なプロジェクトに参加できることを喜ばしく思います。政府は、英語のスキルが経済と個人の成功にとって優先事項であると認識しているのです」と述べています。
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